英国生活日記
 
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2006年3月18日を表示

Hornsea Mere

今週もまたまた歩きに行ってきました。この習慣どこまで続くんでしょうか?(笑) まぁ、万年運動不足なのでよろしいかと思いますが。

本日のルートはHornsea Mereという湖の周回ルートです。だいたい10キロくらいでしょうか。 Hornseaはハルからバスで1時間くらい北東方向に向かってたどりつく海辺の町です。一応海沿いは綺麗なプロムナードになってたりするんですが、周囲にメジャーな海水浴場(というか海岸リゾート?)がたくさんあるので、あまり人も集まらずたそがれてます(ぇ 湖は海辺から少し内陸に入ったところにあります。

ルートは前半は湖畔のフィールドウォーキングで、景色もいいし、気持ちのいいルートでした。 でも、ここのところの天候不良のせいで、足元がものすごーくぬかるんでました( ゜┓゜) 一時は足首まで埋まるんじゃないかと思ったよ...(汗



今回のもうひとつのお楽しみは、羊の出産シーズンなので、おいしそうなラムちゃんたちが駆け回る姿を見られるかなというのもありました。 先週は見かけなかったんですよね。 そもそも羊を>< 

今週はいました( ̄ー ̄) 写真見づらいですが、黒いお母さんにくっついて歩く白い子と黒い子が見えるかな?... めっちゃプリチーです(*ノノ) おそらく生後1週間経ってないかと。 あぁ、おいしそう(マテ 

湖を半周した後は、残り半周は車道を歩くルートだったので、みんな無口になって淡々と歩く...(笑) 寒いのでどうしても無口になっちゃうんですよね...



町に戻った後、そのまま町を通過してまっすぐ海へ。 実はここの海辺には、ヨークシャーコーストではかなり有名なフィッシュ&チップス屋があるのです。 レストランとテイクアウエイがあって、普段は一人だし、テイクアウエイを買って海辺のベンチで食べたりするんですが、今日は寒いし、初めてレストランで食べてみました。 それが大正解! すごーーーくおいしかったですヽ(`Д´)ノ

写真は私が食べたカレイです。 普通のタラでもいいんだけど、たまにはいいかなと思って(笑) チップスも非常に出来が良く、美味しく平らげました。



食後、海辺をさらっと眺めてから、今度は湖の岸辺にアクセスできる場所に行きました。 以前この日記でも写真アップしたことあったと思うけど、ここは水鳥天国なのです。 水鳥マニアの私にはうはうはの場所ですヽ(°◇° )ノ

今は時期が時期なので、ものすごいことになってました(笑) いやぁ、幸せ。 



しかし、こいつら人間怖がらなさすぎ。 こうやって餌くれる人がいっぱいいるからなんでしょうけど。

白鳥が首の長さでなんかずるをしています(笑)

本当は町のはずれにあるアウトレット・ヴィレッジにも行こうと思ってたんだけど、バスの時間の関係で断念して戻ってきました。 今日もよく歩きました、はい。 既に来週の計画も立っているので来週もまた歩くことでしょう(笑) ああ健康的。



3月18日(土)18:25 | トラックバック(0) | コメント(5) | 英国ってこんな国 | 管理

新薬治験事故続報と起こったことの理解

事故の被害者6名中4名は、まだまだ重症ながら、意識もはっきりし、自力で機能する部分も増えてきているようです。残る2名はいまだ生命維持装置の力で生かされてる状態だと思いますが、明るい材料も見えてきたとか? まだまだ時間はかかるでしょうが、なんとか回復してほしいです...

今回の治験に使われた薬、抗CD28モノクロ抗体は、いったいどういう薬なのか、小難しい名前の羅列でわからない方も多いと思います。思い切り平たく言うと、白血球に結合して、白血球の持つ免疫機能を活性化する、と考えればいいと思います(まだ難しくてわからないぞーという人もいそうですが;;)。 見るからに難しくて目が滑ります、という方はアンモナイトさんの記事へどうぞ(ノ_・。 あちらはずっとシンプルです(笑)

健康な人の免疫システムはきちんとコントロールされているので、細菌など、外部から入ってきたタンパク質に対してのみ活動するんだけど、今回の場合は、投与された抗体によってこの白血球がものすごい勢いで活性化された結果、自己免疫疾患(コントロールがおかしくなって、自分の細胞の成分を攻撃してしまう)と同じような(過激かつ急激な)炎症反応が全身で起こってしまったわけですね。 従って治療も自己免疫疾患の劇症例に近い方法が取られていると思います(大量のステロイドの投与が一番有効)。 

なぜこんな事故が起こってしまったのかについても専門家が様々議論をしています。論議の焦点は

1.治験薬の製造プロセスの不備があったか? 
←純度やコンタミネーションの問題など

2.投与量に問題はなかったか?
←いわゆるHuman errorの問題ですね

3.治験のプロトコールに問題はなかったか?
←投与計画とか、行われる施設の装備などに問題があったかどうか。

4.前段階の動物実験は適切だったのか?

といったあたりです。1に関しては今のところ特に問題点はあがってきていないようです。製造会社は大きな製薬会社なのでそのあたりはしっかりしている様子。 2の投与量についても、動物実験で確認した致死量の500分の1という量なので、それを間違えて500倍以上を投与してしまうということはちょっと考えにくいのでこれも問題なし。

しかし、プロトコールに関しては少々論争があるようです。というのも、今回の治験で6名は全て同時に同じ量を投与されているんですが、初回の実験の場合、量は何段階かに分けてせいぜい2名づつくらいで変え投与すべきなんじゃないかと疑問を投げている研究者が何人もいます。 これに関しては私もそう思うんですが... しかし、実際にこの手の治験に関わる研究者からは現場ではこれはごく普通に行われていることなので問題ないという反論です。 う~ん、どうなんでしょう? このあたりは今回の事故を教訓に徹底されるんじゃないかな? 

これまで世の中に出た抗体薬は、たいていなんらかの作用の抑制をするものだったのに対し、今回のTGN 1412は作用を促進する方向に働くものだというのも今回、議論の対象になっているようです。健康な人体では既に免疫は必要十分に働いているので、それを刺激して機能促進するということは免疫過剰になるわけで...当然アレルギー反応様の症状が出ることは予測の範囲です。それは副作用とは違うんじゃないかと。

そして最後の、これが一番世論を刺激しているであろう問題です。 果たしてこの薬に対する動物実験は正しく必要十分に行われたのか? そもそも動物実験に意味があったのか?

通常の化学合成で作られた薬品の場合は、動物実験の意義は疑う余地もないんですが、今回の場合、生物薬であり、この薬が作用するターゲットは「人間の白血球の上にあるレセプター」なわけです。 CD28はもちろん動物の白血球にも存在しますがこの抗体はもしかしたらヒトの白血球のレセプターに特異的に強く作用するんじゃないかと言う疑問が否定できないのです。 なんせ、今回の抗体、遺伝子組み換えによって、ヒト型にしてありますからね... というわけでそもそも今回の場合、動物実験では事前の副作用予測が困難だったのでは、という意見が、専門家からあがっているのでした。

難しいです。こういった遺伝子組み換えによる薬は近年、多くの研究開発が行われていて、これからもどんどん治験に上がってくると思います。 つい最近、NHSでニュースになっていた、乳がん治療のホルモン療法薬、ハーセプチンもこの仲間ですね。 ここで徹底して前段階試験のシステムを再検討しないと将来的に似たような事故が起こる可能性大ですね。

もっと怖いのは、この事故が発覚した瞬間から俄然勢いづいている妄信的な動物実験反対論者の存在...「ほら見ろ、動物実験してもこんな事故が起こるんだから、そもそも動物実験になんか意味はないだろう」 という意見が実際に聞かれているのです。 でもそれは違う。 いつかはきっと動物実験のいらなくなる日が来る。 でもそれは今じゃない。 未だに医学は万能じゃないのです。自由自在に臓器とか作り出せる日が来たら、その時は罪のない動物を苦しめなくて済むかもしれない。 その日が一日も早く来るといいと願っているのは誰よりも動物実験をする研究者だと思います。

この薬、最終的には死を待つしかないような患者さんにとってまごうことなき朗報になるであろうものなだけにここで開発が頓挫してしまったら悲しすぎます。 投与量を徹底して見直したら使えるんじゃないのかなと思うのでなんとか持ちこたえてほしいんですが...


<蛇足>
長々書きましたが、私、免疫はめっちゃくちゃ苦手分野なのです・゜・(ノД`)・゜・ 自分でも理解できてるかどうか自信ないので、どこか間違ってたらご指摘よろしくお願いします(汗



3月18日(土)03:04 | トラックバック(0) | コメント(7) | 英国ってこんな国 | 管理


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